動き出す加茂文化会館の改修
開館から39年が経過する加茂文化会館。
現在、安全性から大ホール客席の吊り天井の耐震化が必要なことや、照明や舞台装置などの設備が老朽化しているといった問題が発生しているためホールの利用が休止されています。
このまま閉館してしまうのではないかという不安の声が方々から聞かれ、昨年には民間団体が中心となって存続を求める住民運動も行われました。
〇吊り天井の改修が提案されます
そのような状況の中、5月19日の加茂市議会の臨時会において「大ホール客席天井耐震化改修設計業務委託料」が議案として上程されることになりました。
これはつまり、休館の最も大きな理由となっていた施設の安全性を保つための事業が行われるということで、再開に向けた大きな動きと言えます。
〇改修にかかる費用は?
今回の設計業務委託料にかかる補正予算額は2,100万円。
そして実際の改修工事を行うまでには総額3億4,300万円かかります。
・国の交付金制度を活用します
この事業は国の「緊急防災・減債事業債」という補助制度を活用する予定。
償還期間は10年(2年据え置き)、事業費の100%が起債(借金)となりますが、そのうちの70%を国が交付税として負担するというものです。
今回の事業でいうと、加茂市は総額の30%にあたる約1億円を10年で返す目算です。
他にも安全対策として、天井からのワイヤーロープが40年経過しているので今年度中に取り替えることになります。
こちらは約3,000万円かかりますが市の単独負担です。
〇音響や照明は今後の検討課題
今回の措置は安全性を確保して文化会館を再開したいというもの。
本格的なプロのコンサートなどを開催するためには、舞台照明設備や音響設備の更新などまだまだ改修は必要でしょう。
それらをすべて施すならば、今回の安全対策の他に14億円以上かかります。
これをどうするかはまだまだ検討を重ねる必要があると思います。
〇住民のための施設として考えたい
私は今回の安全対策を施したうえで開館し、照明や音響設備については今後の検討課題とすることに賛同しています。
その上で重要なことは改修後の施設使用についてどうしていくかです。
実績では年間4万人が入館しているとはいえ、より多くの方から使用いただけるよう努め、運営改善を図っていくべきでしょう。
・誰もが使いやすい施設へ
例えば、現在は午前・午後・夜間の3区分で貸し出ししていますが、これをもっと短い時間の単位にすることで学生などでも利用しやすくしてはいかがでしょうか。
また、今回の休館を前にピアノを弾いてみたい人や舞台に立ってパフォーマンスしてみたい方を募った際には多くの方からご応募いただいたとのことでした。
文化会館イベントとして定期的な個人施設利用の日を設けても良いかもしれません。
多くの方がご承知のとおり、加茂市は財政健全化に取り組んでいる最中。
その中での改修は大きな決断になります。
私はこうして予算をかけて改修するからには、住民がより多く利用できる方策を練る必要があると思っています。
改修しても利用者がいないようなことにならぬよう、施設の目的を明確にした利用促進を図るべく、今後も提案してまいります。