国道289号線 八十里越を視察
国道289号線の八十里越(はちじゅうりごえ)は三条市と福島県南会津郡只見町をつなぐ全長20.8㎞の国道路線で、現在その開通を目指して工事が進んでいます。
11月8日、加茂市議会産業建設常任委員協議会で現地視察をしてまいりました。
〇工事の内容は
現状の路線は19.1㎞が車両通行不能区間となっており大幅な迂回を強いられるため、この整備によって通行可能にして、三条市と只見町間の所要時間を2時間37分から約半分の1時間19分まで短縮するというものです。
〇この事業で期待される効果
隣県である福島県とアクセスが容易になることで期待される効果はさまざま。
・新たな広域の交流や地域連携が生まれる
・只見町には総合病院が無いため、県央基幹病院(令和5年開院予定)が最寄りの総合病院になる
・福島県のみならず北関東からの観光や流通による商工業の促進
・粟ヶ岳など1000~1500メートル級の山々からなる越後山脈を満喫できるルートの観光化
さらに開通後はこの想定以外にも効果が出てくるものと期待されています。
〇竣工は5年後
全長20.8㎞のうち88%がトンネルと橋という、きわめて困難な事業となっています。
1989年から工事が始まり32年が経過、ようやくトンネルが開通し橋梁も整備が進んでいるものの竣工予定は5年後。
大きな理由は
・雪が降ると作業が止まる
・猛禽類の繁殖期を避けるなど、自然に配慮している
というもの。
なにしろ最も深い所では積雪が7メートルを超えるそうですから、春の雪解けを待って作業をはじめ秋の降雪で作業を停止すると、一年のうち半分ほどしか作業できないわけです。
〇加茂市も八十里越を活かしたい
開通後には三条市はもちろん、弥彦村までの観光ルートが想定されています。
残念ながらこの場合、加茂市はルートに関わることがありません。
しかし下田地区から加茂市七谷地区へ通る国道290号線を利用していただくことで、加茂山や加茂川など加茂市内へ、また田上町、五泉市、新潟市へのアクセスルートとして加茂市を通っていただくことも可能です。
ぜひ5年後の開通を前に、加茂市および周辺自治体による経済的・人的交流促進を図っていきたいところです。
今回はそんな可能性を感じた視察となりました。