文化会館について・その2~これからの施設運営~
前回のブログでは、老朽化と耐震化の不足から休館となる加茂文化会館について、その施設としての在り方と改修にかかる費用・工期を説明しました。
今回は加茂市が現状をどう考えているのかをお伝えしたうえで、存続するための方策について述べたいと思います。
〇加茂市としての見解
市議会6月定例会での質問や市長の定例会見などで、文化会館の今後についての考えが示されています。
・閉館を決定したものではない
7月2日の藤田市長による定例記者会見で、文化会館について述べられておりました。
その内容は、
1、本年度、市内全施設の利用実態や現状の維持管理、更新時期とその費用などを整理し、統廃合などの方針を定めた「公共施設等更新計画」の策定を予定している。
2、文化会館についても単独で考えず、市全体の状況を見た中で判断する。
3、そのため、大規模改修するのか、リニューアルするのか、複合施設化するのか等すぐに結論は出せない。
4、安全確保や安定運営の観点から来年4月より休館を検討しているが、閉館を決定したものではない。
以上のとおりです。
市としては文化会館の価値を認めつつ今後の維持運営を検討しているところであり、閉館ありき、財政ありきではないというところをご理解いただきたいと思います。
〇選択肢はいくつかある
市長の定例記者会見にあるように「公共施設等更新計画」により、市全体の施設を総合的にみた中で文化会館の改修等について検討することになります。
前回のブログでは現状と同等の改修を説明しましたが、その他にも複合施設化、部分改修なども選択肢のひとつでしょう。
・複合化という考え
複数の公共施設を集約化・複合化することで全体として延べ床面積が減少する事業で、総工費の90%を起債(借金)でき、そのうちの50%が国の交付税に算入されるものです。
加茂文化会館と他の施設を統合する場合はこの対象となります。
近隣では、昨年12月に開館した三条市のスポーツ・文化交流複合施設「三条市体育文化会館」がこの事業で行われています。
・安全面を最優先に改修する
休館を急ぐきっかけとなったのは大ホールの吊り天井耐震化。安全面が確保できなければ、どんな素晴らしい施設も開館することはできません。
そこで、耐震化などの安全対策を施したうえで開館し、その後の照明や音響施設については財政状況をみながら改修していくということもできるでしょう。
これならば吊り天井の耐震化は3億4,680万円で2億4,000万円が国からの交付税参入となりますので、市の実質負担は1億円程度です。(緊急防災・減債事業債が令和3年度以降継続されることが条件)
さらにその他に必要な安全対策をしたとしても、当初の負担額からはかなり削減できます。
ただし完璧な状態とはいえないため、チケットの発生するプロの公演や大規模なイベントについては当面受けられないかもしれません。
以上のように今後の文化会館の改修については複数のパターンがあります。今後、更新計画を参考にこれら複数の案を検討していくものと思われます。
次回のブログでは文化会館の問題を踏まえ、これからの公共施設運営についての私の考えを述べたいと思います。