たきざわ茂秋加茂市議会ニュース

加茂市議会議員、滝沢茂秋の日々の活動などから見える加茂市の姿をお知らせします。

文化会館について・その1~改修費用と工期~

加茂文化会館は開館から38年が経過しています。

現在、大ホール客席の吊り天井の耐震化が必要なこと、照明や舞台装置など施設の老朽化といった問題が発生しているため、来年度から休館することになりました。

この件が市議会での質問や報道等で市民に伝わると、このまま閉館してしまうのではないかという不安の声が方々から聞かれ、その存続を求めた住民運動も始まっているようです。

 そこで今回は、加茂文化会館を改修する目的と実際にかかる費用や工期について書いてみたいと思います。

 

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加茂市に限らず近隣市町村の文化活動のランドマークとして、多くの公演やイベントが行われてきた文化会館ですが、ここ数年は照明設備の故障や音響の不具合が相次ぎ、管理者は応急的な対応を続けながら開館してきました。

しかしここにきて浮上した安全上の問題は、運営する上では避けて通ることができない事柄です。

 

 

〇文化会館を運営する際に必要なことはなにか

 

まず前提として、こうした公の施設を管理運営する上で必要なことを踏まえて改修について考えるべきでしょう。

その要素としては3つ挙げられます。

 

①安全性が保たれていること

最も重要なのが安全性の確保です。

重大事故につながる劣化や耐震化の不足など、施設の整備上問題がある点については、法令を遵守した設備に改修しなければなりません。

 

②安定的に運営されていること

様々なイベントや公演に貸し出す施設のため、舞台機構が動かない、音響設備や照明設備が故障しているなど、トラブルで公演が中断・中止になるようなことは避けなければいけません。

 

③利用者・社会のニーズに合っていること

月日の経過により機器のデジタル化や音響・照明等の効果は進歩していきます。

また、使用する対象人口の変化や使用目的の多様化などにより施設へのニーズも変わってくるでしょう。

実際に加茂市の人口規模を考えれば、1,000席以上の座席を持つホールはオーバースペックだという考え方もあります。

また、昨今のコロナウイルス感染症のような感染症への対策も必要になってくると思われます。

 

 

〇改修にかかる費用は?

 

実際に文化会館を現状と同レベルの設備に改修する場合の費用は以下のとおりです。

大ホール吊り天井耐震化

3億4,300万円

電動制御・巻上機等の更新

2億5,000万円

舞台照明設備・灯具等の更新

2億9,000万円

ホール音響設備の更新

1億5,000万円

外壁、屋根、給排水設備、電気設備などの更新

7億3,000万円

総合計金額

17億6,300万円

 これを起債で行った場合は合計17億8,710万円で、そのうち5億5860万円が国からの交付税に算入されます。

それを差し引くと加茂市が負担するのは合計で12億2,850万円となります。

 

 

〇工事の期間はどのくらいかかる?

 

これも現状と同レベルでの改修の場合で考えると、

大ホール吊り天井耐震化

8ヶ月~1年

電動制御・巻上機等の更新

3ヶ月

舞台照明設備・灯具等の更新

3ヶ月

ホール音響設備の更新

3ヶ月

外壁、屋根、給排水設備、電気設備などの更新

各設備による

 とのこと。

これをみると、少なくとも改修を始めて1年以上は会館の使用はできないようです。

 

 

今回は、改修が必要な加茂文化会館の改修に係る状況と想定される費用・工期について述べました。

次回のブログでは、市としてできること、加えて少し私見をお話ししたいと思います。