令和元年度決算から(難しい財政運営)
前回のブログで示した通り、令和元年度決算については黒字決算ではあるものの厳しい状況にあります。
今回はその難しい財政運営についてみていきたいと思います。
○ほぼ行き先の決まっている予算
財政状況をみる指標の一つに経常収支比率というものがあります。
これは歳入(市の収入)の中で地方税のように毎年決まって入ってくる金額と、歳出(市の支出)の中で人件費など必ず出ていく金額の比率を表すもの。
令和元年度決算をみると98.5%でした。
過去5年間の推移を見ても、全国・県内と比較して加茂市は恒常的に高くなっています。
この数字から、加茂市では収入のほとんどが行き先を決められているため、単独での新しい事業は難しいことが見て取れます。
〇基金の少なさがもう一つの課題
前回のブログでお示ししたとおり、令和元年度末時点の財政調整基金(市の貯金)は1,350万4千円。
本来、加茂市のように必ず入ってくる金額と出ていく金額がほぼ同じ中では、豪雨や豪雪、地震などの災害に代表される予定外の支出には基金が使われますが、今の金額では大規模なものを補えないと思います。
参考までに平成30年度決算時点での近隣・類似市町村の財政調整基金額は
三条市・・・73億2000万円
燕 市・・・27億2000万円
見附市・・・10億6200万円
田上町・・・9億5300万円
五泉市・・・26億3900万円
胎内市・・・4億1200万円
となっています。
このように収支に余裕がある、基金を豊富に持っている、そのどちらにも乏しいのが現状。
加茂市の財政事情は、すぐに破綻することはないものの、まちがっても楽観的に捉えられるものではありません。
この決算を経ての私の考えについても、また述べていきたいと思います。