不登校となっている子ども達にオンライン授業を
文部科学省の調べでは全国で約20万人、さらに実態を探ると50万人にも及ぶのではないかとの見解もある不登校となっている子どもたち。
当然のことながら、我が加茂市においても学校に行けない状況にある子どもは少なくありません。
〇学習の遅れなどが復帰を妨げる
不登校に至る理由は様々ですが、子ども達の中には引きこもりがちになったことで本来の悩みに加えて学習の遅れや学校の様子に不安を感じ、結果として学校への復帰が遅れたり学校卒業後の進路選択の妨げになったりする場合がみられます。
〇子ども達にセーフティネットとしてオンライン環境の活用を
そこでその解決策の一つとして、来年度に向けて小中学校で整備が進んでいるICT等を活用して、家庭でオンライン授業などの学習活動を行った際に出席扱いとできるよう市に対して提案しました。
これは、自宅において教育委員会、学校、学校外の公的機関又は民間事業者が提供するICT等を活用した学習活動を行った場合、校長の判断により出席扱いとすることやその成果を評価に反映することができるというものです。
(出席扱い等の要件については、ブログ下に別記しました)
〇文部科学省も方向を転換している
昨年10月に通知された文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について」でも、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があるとしています。
不登校児童生徒に対する支援を行う教育支援センターの設置目的も「学校復帰」という文言が削除され「社会的自立」に置き換わっています。
〇市長・教育長からも賛同いただく
この提案に対し市長・教育長からも、来年度に向け整備している学校のICT環境整備を踏まえて取り組みたい旨の答弁をいただきました。
そもそも「GIGAスクール構想」という新時代の学びを支える先端技術の活用は、子ども達一人ひとりに最適な学習環境を整備して創造性を育むものです。
この環境を活用することで加茂市の子ども達の教育機会を確保し、将来に向けた社会的自立を支援できるならば何より素晴らしいことだと思います。
今年度中に各学校でWiFiが整備され、児童生徒一人ひとりにタブレットが配布されます。これらの整備を進めたうえで行われる事業について注視しつつ、加茂市の不登校児童生徒の不安払しょくに向けた学習支援実現を図って参ります。
・参考資料として出欠扱い等の要件を記載します。
〇出席扱い等の要件
不登校児童生徒が学校外の施設において相談・指導を受けるとき,下記の要件を満た すとともに,当該施設における相談・指導が不登校児童生徒の社会的な自立を目指すものであり,かつ,不登校児童生徒が現在において登校を希望しているか否かにかかわらず,不登校児童生徒が自ら登校を希望した際に,円滑な学校復帰が可能となるよう個別 指導等の適切な支援を実施していると評価できる場合,校長は指導要録上出席扱いとすることができる。
(1)保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること。
(2)当該施設は,教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関とするが,公 的機関での指導の機会が得られないあるいは公的機関に通うことが困難な場合で本人 や保護者の希望もあり適切と判断される場合は,民間の相談・指導施設も考慮されて よいこと。 ただし,民間施設における相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であるかどう かについては,校長が,設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断するもの とすること。このため,学校及び教育委員会においては, 「民間施設についてのガイド ライン」 を参考として,上記判断を行う際の何らかの目安を設けておくこと が望ましいこと。
(3)当該施設に通所又は入所して相談・指導を受ける場合を前提とすること。
(4)学校外の公的機関や民間施設における学習の計画や内容がその学校の教育課程に照 らし適切と判断される場合には,当該学習の評価を適切に行い指導要録に記入したり, また,評価の結果を通知表その他の方法により,児童生徒や保護者,当該施設に積極 的に伝えたりすることは,児童生徒の学習意欲に応え,自立を支援する上で意義が大きいこと。なお,評価の指導要録への記載については,必ずしもすべての教科・観点 について観点別学習状況及び評定を記載することが求められるのではないが,児童生 徒のおかれている多様な学習環境を踏まえ,その学習状況を文章記述するなど,次年 度以降の児童生徒の指導の改善に生かすという観点に立った適切な記載に努めること が求められるものであること。