たきざわ茂秋加茂市議会ニュース

加茂市議会議員、滝沢茂秋の日々の活動などから見える加茂市の姿をお知らせします。

決算認定は賛成多数で可決 ~問題点を指摘し反対~

12月25日、市議会12月定例会が終了しました。
今回の議会は29年度決算の認定があり、事前に新聞等で加茂市の財政事情が取り上げられていたことから、市民の皆さんの中にも注目されていた方が少なからずいらっしゃると思います。


結果として市議会においての賛否は11対5で、29年度一般会計決算は賛成多数により認定されました。

私は自分の意思を示したいと考え、反対の立場で討論に立ちました
以下、その内容を紹介します。(かなり長くなります、すみません)


〇予算・決算、他市との違いは不用額の多さ

加茂市の一般会計決算は例年、不用額(予算に計上したが使わなかった額)が多くなる傾向にありますが、これについて市長は2つの点を理由としています。

特別交付税が減らされないよう、1億円程度多く予算を計上する必要があること
② かつてに比べ繰越金が無い状況において補正予算(年度途中で必要になった予算)を計上する際の財源確保のために、当初予算に相当額を確保し流用する形式をとる必要がある


〇29年度の数字でみると

実際に29年度の決算状況をみても、
予算現額149億3,500万円(計上した金額)
支出済額119億9,900万円(実際に使った金額)
不用額  25億5,700万円(計上したが使わなかった金額)
予算現額に対する支出割合は80.3%となっています。


〇予算執行の問題点(その1)

 予算は市議会で採択されたものであり、本来その執行は行政と議会の信頼関係の下で適正に行われるのが原則。
そのような中での不用額の発生は、
新しい事業の計画に差異が生じた場合
国の補助事業に変更があった場合
など致し方ないこともあるため、一概に否定するものではありません。
また、ガチガチの予算では市政が窮屈になるので、一定の弾力性が必要なことも理解できます。
しかし行政が、予算にはそもそも編成と執行に違いがあるのだという考えを前提に、さまざまな事業を進めていくことは、それらを審議する市議会を軽視するものであり、私たち市議会は市民から負託を受けている以上、適正な予算計上とその執行を求めていかなければいけません。


〇予算執行の問題点(その2)

財源の確保が厳しいという理由から、補正予算を組む際の財源のために、当初予算の歳出を実際よりも膨らませて流用するという考え方について。
災害発生など不測の事態の際に、緊急的措置として一般財源の流用により対応するのならば理解もできますが、これが常態化しているというのは安定した市政の運営とは言えません
このことは、奇しくも豪雨と豪雪に見舞われたことにより例年以上に財源ねん出の難しさを露呈した、今回の決算における執行内容からも明らかになったのではないでしょうか。

・市民に広がる不安感
事実としてこの状況から、市民の皆様のあいだで、これからも加茂市で生活していけるのだろうかという不安感が広がる結果となっています。

f:id:sasm-takizawa:20181226070747j:plain

この曇天の先は、青空か嵐か


〇わたしたち市議会と行政がすべきこと

いま、私たち市議会と行政は、市民が引き続き加茂市で生活していけると感じられるよう、市民生活に更なる不安を感じさせない配慮をしつつ、現在行われている事業を見直していく、重要な時期に来ているのだと思います。

行政事業の見直しを!
市長は決算審査特別委員会での質疑の際に、優先順位の高い事業は万が一財政が厳しくなっても維持していくのだと述べていましたが、それであれば優先順位の低い事業や、手段を変えることで歳出の削減ができる事業について、検討し提案していくべきです。

そうした姿勢の示されない中での今回の決算については、私自身が市民の皆様から代表として議会に送り出していただいている一議員として、認めるべきものとは考えられません。
 以上のことから、私はこの度の決算の認定について反対といたします。


〇皆さんと一緒に考える機会を

今回の決算を通じて、皆さんから加茂市の姿の一端を感じていただけたらと思います。
そして、私はこれからもブログや座談会、日頃の活動を通じて、一緒に加茂市のこれからについて考える機会をどんどん作っていくつもり。
ご意見やご不明な点はいつでもお聞かせください。