ICTの活用で学校が変わる~GIGAスクール構想~
加茂市では今年度、小中学校の全ての児童・生徒に1人1台のタブレット端末と全教室に電子黒板、そしてWi-Fi環境の整備が行われました。
これにより学校教育がどんなふうに進んでいくのか、今回はその現状とこれからの方向性について紹介したいと思います。
〇令和3年度から取り組んでいること
4月からタブレットなどの活用が始まったことで、子ども達の学びが変わっています。
①個別学習の充実
写真で記録したり、記録をクラウドに保存したりすることで、タブレットがノートの役割を果たし、これらを基にした一人ひとりの学力に応じた課題の提供が可能となりました。
②協働学習の充実
学習支援ツールによって、学級の仲間とお互いの考えを発表しあうなど、情報共有によって学習をまとめやすくしています。
③探究的な学習の推進
インターネットを活用して関心のあることを簡単に調べられるので、より深い学びに繋がります。
④デジタル教科書の活用
小学5年生から中学3年生まで、学校別に1教科を選択してデジタル教科書を活用しています。
〇令和4年度以降取り組んでいくこと
①学習用コンテンツの活用
様々なコンテンツを活用した家庭学習が容易になります。
たとえば授業動画を活用することで、学校の勉強の予習や復習にも取り組むことが可能でしょう。
②宿題の提示や提出
データ配信により宿題を受け取ったり提出したりが可能になります。
〇保護者とのつながり方も変わります
今後は子ども達だけでなく保護者にとっても、学校とのつながり方が変わってくるでしょう。
①配布物の電子化
学校からの配布物を電子データで受け取ることが可能になります。
端末により保護者が学校だよりなどを閲覧でき、ペーパーレス化が進むことでしょう。
②出欠席連絡
端末を活用して出欠席を連絡することが可能になります。
〇まだまだ課題はあるけれど
学校内ではその利用が進んでいるものの、家庭環境による違いや利用ルールなど、これから検討すべき課題がいくつかあります。
・インターネット接続できる家庭ばかりでない
5月に保護者対象で行ったアンケートでは、全体の88.5%の家庭にインターネット環境があるものの11.0%は接続できないとのことでした。
今後、市において貸出用モバイルルーター等を整備するのか検討しているところです。
・利用のルールは?
また端末の使い方においても、気軽にインターネットに接続してトラブルに巻き込まれるなどの懸念があります。
さらには使用時間の制限を設けるか、故障破損の場合はどうするかなど検討しなければなりません。
〇地域としてできる協力を
いまだ新型コロナウイルス感染症の影響により社会全体が大変な状況ではありますが、これを契機に、既に私たちの生活に欠かせない存在となっているインターネット等を教育の場で活かし、加茂市で育つ子ども達が将来に向けその可能性を大きく広げられるようにしたいものです。
そのためには、紹介したようなハード整備だけでなく、新たな教育環境を効果的にするメニューの充実も大切な要素となるでしょう。
これについては学校に任せるだけでなく、総合学習や探究において私たち地域に住むものが協力できることはないか、ぜひ多くの方と考えていきたいと思っています。