たきざわ茂秋加茂市議会ニュース

加茂市議会議員、滝沢茂秋の日々の活動などから見える加茂市の姿をお知らせします。

防災ラジオ、災害時の情報伝達を学ぶ

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加茂市では災害発生時、市民への避難指示等、必要な情報についてはエリアメールと職員の広報車による巡回により伝達することとなっています。
実際に平成23年7月の水害の際には、情報伝達をエリアメールと広報車の巡回により行いました。

 

〇エリアメールと広報車の弱点

この二つの方法でほとんどの方に情報が伝わっていると市長はかねてより答弁していますが、
・緊急速報エリアメールについては携帯端末を持たない方には伝達されない
・広報車の巡回では閉め切った屋内では聞き取りづらい
・特に災害弱者の方にそれらの傾向が強い
以上のことから私は今後その対策が必要になってくると考えています。

そこで様々な事業を調査していたところ、坂東市の防災ラジオ事業を知り、今回その内容について伺ってきました。

 

〇防災ラジオ導入のきっかけは震災と豪雨から

平成23年東日本大震災平成27年の関東東北豪雨の二つの大災害を経験した坂東市は、加茂市と同様にエリアメールや広報車の巡回も行っていましたが、災害弱者に情報が届きづらい現状について改善を図りたいと考えていました。
同報無線も無い状況だったので、どのようなシステムがよいのか他市の例を参考に検討したところ、屋外に設置する拡声器は豪雨災害になると「雨音のために家屋の中にいると情報がわかりづらい」という事例が多くあり、屋内に直接情報を届ける策を模索する中で防災ラジオにたどり着いたのだそうです。


〇設置費用は屋外拡声器に比べて格安

市役所のシステムなど、初期設置費用はおおよそ9,700万円。補助金はありませんが、全額を緊急防災・減災事業債という起債(借り入れ)にでき、そのうちの70%が交付税措置(国の交付金対象)となるため、導入のハードルは低いものとなっています。

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〇ラジオの特徴は?

最大の特徴はその伝達力。
通常のFM電波ではなくポケベルの電波で放送するため、建物内への浸透性や受信エリアが格段に広くなっており、市民へ確実に情報が届きます。

 

〇防災ラジオ、その費用は?

ラジオ本体価格が10,260円(税込)。
そこに基本使用料年額600円×10年分で6,000円(11年目からは無料)
合計16,260円です。
市民には3,000円で提供、差額は市が負担しています。(生活保護世帯は無償)

 

〇現在の設置率は?

市内20,000世帯のうち、約30%の設置率。

 

〇思ったこと・感じたこと

今回の防災ラジオ事業の研修では、いかに災害時の情報を正確に伝えるか、そして災害弱者への伝達をどうするかという問題に対しての一つの答えを見た気がしました。
設置率は30%と決して高いものではありませんが、エリアメールを受信できる人はそれで良いのかもしれませんから、まずは高齢者を中心としたエリアメールの受信できない方々へ普及を図れること、これが防災ラジオの良さなのだと感じています。
説明してくださった担当課の皆さんは、震災と豪雨災害を経験して、リアルな感情からその必要性を強く訴えていました。
1月の豪雪による大停電を経験した加茂市、これからの様々な災害に対する情報伝達手段について、真剣に考えていかなければいけないのではないでしょうか。