たきざわ茂秋加茂市議会ニュース

加茂市議会議員、滝沢茂秋の日々の活動などから見える加茂市の姿をお知らせします。

平成28年度一般会計決算の認定について

12月25日に加茂市議会12月定例会が閉会しました。

最終日は28年度一般会計決算の認定について賛否が諮られ、私は反対しましたが11対5の賛成多数で認定となりました。

 

私は、議場において反対の立場から討論いたしました。

以下、その内容を全文記載いたします。(かなり長いです)

 

〇予算に計上されても執行できない予算

加茂市の一般会計決算は例年、不用額が多くなる傾向にありますが、これについて市長は、特別交付税が減らされないための措置であること、税収の見積もりが少なすぎると歳出の計上に支障をきたすこと、思わぬ出費に対する措置であるという3つの点を理由としております。

 

〇28年度の実際の状況は

 28年度の決算状況をみても、予算現額144億54百万円に対して支出済額113億23百万円、不用額が25億59百万円、予算現額にたいする支出割合は78.3%となっています。

 

私は2つの点からこの状況には問題があると考えます。

 

〇問題点その1

 一つ目は、予算は市議会で議決されるものであり、本来、その執行は行政と議会の信頼関係の下で適正に行われるべきであるということです。

市長は、予算には編成の予算と執行の予算があり、先に述べた理由から予算編成では実際よりも多く見積もり、執行においては節約を行うことで加茂市の市政の水準を保っていると述べられておりますが、この考え方では、私たち市議会が審議する予算はあくまでも編成のための予算であり、行政側には執行する意思が伴わないものとなります。

不用額が発生するのは、新しい事業の計画に差異が生じた場合、国の補助事業に変更があった場合など、致し方ないこともあるため、一概に否定するものではありません。また、予算に一定の弾力性が必要なことも理解できます。しかし行政が、予算にはそもそも編成と執行に違いがあるのだという考えを前提に、さまざまな事業を進めていくことは、それらを審議する市議会を軽視するものであり、私たち市議会は市民から負託を受けている以上、適正な予算計上とその執行を求めていかなければいけません。

 

〇問題点その2

二つ目は、予算段階では必要な金額が計上されていながら、その予算が執行されないために実務上で問題が生じている、という例が多数みられるということです。

教育現場で顕著にみられるこの状態は、教材や備品、消耗品など需用費や備品購入費に予算計上がありながら執行されないため、やむなく保護者が中心となるPTAの予算から支出されているといった問題を起こしています。これらを改善しようとしても、そもそも予算段階では必要とされる金額が計上されているため、今以上に歳出を求める術がなく、その声は全く反映されない状況にあります。このことは、市政を現場で支える職員の皆様が、職務に当たる際の大きな支障となっており、ひいては市民生活に大きな不安感を抱かせるものとなっています。

 

〇安心感のある予算編成を求める

私は、行政が市民の生命と財産を守るものとして、現場の声に耳を傾け、当初予算の編成から実態に即したものとなるよう精査し、市民生活の更なる向上と安心感をもたらす事業の執行を心掛けるべきであると考えます。

 

〇旧生田屋の建物購入もこの決算に含まれる

また、28年度事業の細部をみたとき、改修を含め5000万円もの費用をかけて取得した生田邸について、土地開発基金の運用ルール上は市長に認められている権限とはいえ、その金額の大きさや明確でない取得目的からみても、本来は市議会の場で十分な説明と検討がなされるべき事案であったと思います。

これは、市議会を軽視している現在の市政を象徴する行為であるといっても過言ではありません。

そして、市民の誰もが疑問を抱くこの事業執行に対して、代表として議会に臨む議員としての意を示す場はこの決算審査において他なく、私はそれを明確にする必要性を強く感じております。

 

 以上のことから、私はこの度の決算の認定については反対といたします。