たきざわ茂秋加茂市議会ニュース

加茂市議会議員、滝沢茂秋の日々の活動などから見える加茂市の姿をお知らせします。

広がる猿やイノシシ、熊の出没エリア

現在はその危険性の高さから、熊が出没すると市から回覧版やインターネットで情報発信されています。それがここ最近では、情報発信はないものの猿の群れや以前はいなかったイノシシの出現など、状況がどんどん変わってきています。

そんななか、出没数だけでなく市内のさまざまな地区で出没したという話が聞かれるようになってきました。

そこで今回は、鳥獣の出没エリアがどのようになっているのかを調べてみます。

 

〇ロケット花火配布地区から探る

加茂市では鳥獣被害を防止するため、追い払い用のロケット花火を希望者に配布しています。

大きな音と花火が飛ぶ様子から、里山では猿の群れ、果樹地域では鳥の被害を防止できるとして使用されているもの。

ということは、希望者へ配布した地区からおおまかな出没エリアが見えてくるのではないでしょうか。

 

〇平成22年から令和4年までのデータをみる

そこで、加茂市農林課の所有する「有害鳥獣追い払い用花火(ロケット花火)受払簿」をベースに地図上に見える化してみました。

平成22年から令和4年まで、13年間の変遷です。

図が多いですが、わかりやすいように並べていきます。

 平成22年、配布先は七谷地区の上手がほとんど

 

 平成25年、配布数が多いことから頻発している様子がわかります

 

 平成26年七谷地区全域に出没がみられます

 

 平成29年、だんだん下手に出没してきているのがわかります

 

 令和元年、中心市街地や下条地区にも出没がみられます

 

 令和4年、中心市街地までの山間地に広く出没しています

 

〇これから懸念されること

このように年を経て出没エリアが変わってきました。

想像以上に鳥獣被害が広がっていると感じる方も多いのではないでしょうか。

現在、山間地では畑に電気柵を施したり捕獲罠をけもの道に仕掛けたりしています。

この状況が進めば、鳥獣被害対策は市内全域の問題になりかねませんが、それを回避するための策は一面的にできるものではないでしょう。

専門的知見を仰ぎつつ、今から検討すべきことだと感じています。

 

新型コロナの感染者や濃厚接触者への支援が始まる

新型コロナ感染症の第6波の広がりは予想を超え、加茂市内でも感染や濃厚接触により生活に支障を来している方が多くなっています。

感染した場合は当然のことながら外出できませんが、濃厚接触者となった際にも自主的に外出しない判断をされる方も多く、その場合に不安なのは食料の確保です。

 

〇食糧支援事業はじまる

加茂市は、こうした住民の不安を払しょくするため新型コロナウイルス感染者生活支援事業」を開始しました。

ここでは2月1日から始まったこの事業内容について紹介したいと思います

 

⑴対象者は?

新型コロナウイルスに感染し自宅療養となった方

②濃厚接触により自宅療養となった方

現状でも、新潟県により感染した方への支援は行われています。

しかし濃厚接触者についてはあくまでも自主隔離なので、今まで支援はありませんでした。

もし家族全員が濃厚接触者になった場合どうしたらよいか、またひとり暮らしでは困ってしまうのではと不安に思う方も多いと思います。

私としては、市が支援することで外出を控えざるを得ない場合に少しでも安心していただければという気持ちから、今回の事業には大いに賛同しています

 

⑵支援内容は?

対象者に7日分の食糧の配送支援を行います。

そのプランは2つ

・Aプラン・・・昼食と夕食の2回、日替わり弁当を配送する

・Bプラン・・・昼食に日替わり弁当、他にパックごはんやレトルトなど7食程度

 

⑶配送方法は?

ご連絡いただいた住所の玄関先に置き配。

 

⑷申し込み方法は?

・電話での申し込みを加茂市役所健康福祉課

 電話 0256-52-0080(内線171・173)

 

〇周知が課題

加茂市では感染者や濃厚接触者の情報を持たないため、市の方から対象者へ連絡することができません。

そこで広報やSNSなどを通じてこれから発信する予定。

とはいえ必要な方にしっかり届くかはわからないことから、今後は保健所による対象者への情報提供や一般の方からの情報発信が必要でしょう。

感染症のまん延を防ぎつつ安心して生活できるよう、これからも必要な政策について考えてまいります。

403号線バイパスの開通はいつ?

国道403号線バイパスの田上・小須戸区間が開通したことで、加茂市から新津や亀田、新潟市中心市街地までのアクセスは格段に良くなりました。

今回は、全線開通に向けて進んでいる三条市燕市方面の開通がいつ頃になるのか、さらに県央地域として求めている事業内容について見てみたいと思います。

 

◯大切な基幹道路

国道403号線新潟市と県央地域を結ぶ重要な道路として位置づけられています。

現在着工中の三条北バイパス(8.32km)は、加茂市の下条川を渡って三条市に入り塚野目代官島線(景雲橋につながる道路)までを結ぶ区間です。

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三条北バイパスの全容 (県資料より)

その完成によるメリットは、

磐越自動車道北陸自動車道など高速道路、上越新幹線といった高速交通網にアクセスしやすくなる

・救急医療体制における搬送時間の短縮

・時間的距離が短くなることによる経済活動の活性化

・働く場に広域からアクセスしやすいこと居住地の選択が広がる

などが挙げられます。

この一日も早い完成を目指して、さる11月2日、県庁へ出向き国道403号線バイパスの整備促進についての要望」を提出しました。

 

◯開通はいつになる?

現在、加茂市から三条市間の工事が進んでいますが、全線の開通はいつになるのでしょうか?

要望書を提出した際に県の土木部長から、工事は着実に進められており令和5年12月には完成するものと思うというお話がありました。

令和5年というと県央基幹病院が開院する年。

先にお話しした救急医療体制に大きく関わるところです。

 

◯一部開通はある?

全線開通までに完成した箇所から通行可能になる予定。

来年の夏には、加茂市下条から保内工業団地につながる区間までが開通します。

 

◯事業化はされていないがその先も

要望では全線開通に向け事業を進めることともう一つ、

・事業化されていない県道塚野目代官島線から国道289号バイパスの区間について、早期に事業化を図ること

というものがありました。

これは、事業化はされていないものの、三条市の第二産業道路までつなげるという構想です。

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オレンジの矢印が事業化されていない構想区間です

第二産業道路の慢性的な渋滞を解消するため、国道289号線バイパスを新設する構想と一体のものとなりますが、財政状況や土地の確保など現状ではなかなか難しいところ。

 

加茂市をはじめ県央地区に関わる道路の整備を進めていただきつつ、私たちがこの道路によってどんなまちづくりに繋げられるのか、ぜひみなさんと考えたいと思っています。

国道289号線 八十里越を視察

国道289号線八十里越(はちじゅうりごえ)は三条市福島県南会津郡只見町をつなぐ全長20.8㎞の国道路線で、現在その開通を目指して工事が進んでいます。

11月8日、加茂市議会産業建設常任委員協議会で現地視察をしてまいりました。

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〇工事の内容は

現状の路線は19.1㎞が車両通行不能区間となっており大幅な迂回を強いられるため、この整備によって通行可能にして、三条市と只見町間の所要時間を2時間37分から約半分の1時間19分まで短縮するというものです。

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〇この事業で期待される効果

隣県である福島県とアクセスが容易になることで期待される効果はさまざま。

・新たな広域の交流や地域連携が生まれる

・只見町には総合病院が無いため、県央基幹病院(令和5年開院予定)が最寄りの総合病院になる

福島県のみならず北関東からの観光や流通による商工業の促進

・粟ヶ岳など1000~1500メートル級の山々からなる越後山脈を満喫できるルートの観光化

さらに開通後はこの想定以外にも効果が出てくるものと期待されています。

 

〇竣工は5年後

全長20.8㎞のうち88%がトンネルと橋という、きわめて困難な事業となっています。

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1989年から工事が始まり32年が経過、ようやくトンネルが開通し橋梁も整備が進んでいるものの竣工予定は5年後

大きな理由は

・雪が降ると作業が止まる

猛禽類の繁殖期を避けるなど、自然に配慮している

というもの。

なにしろ最も深い所では積雪が7メートルを超えるそうですから、春の雪解けを待って作業をはじめ秋の降雪で作業を停止すると、一年のうち半分ほどしか作業できないわけです。

 

加茂市八十里越を活かしたい

開通後には三条市はもちろん、弥彦村までの観光ルートが想定されています。

残念ながらこの場合、加茂市はルートに関わることがありません

しかし下田地区から加茂市七谷地区へ通る国道290号線を利用していただくことで、加茂山や加茂川など加茂市へ、また田上町五泉市新潟市へのアクセスルートとして加茂市を通っていただくことも可能です。

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ぜひ5年後の開通を前に、加茂市および周辺自治体による経済的・人的交流促進を図っていきたいところです。

今回はそんな可能性を感じた視察となりました。

令和2年度の一般会計決算について

加茂市議会9月定例会において令和2年度の決算審査が行われ、審議の結果認定されました。

今回は一般会計決算のいくつかのポイントについて説明したいと思います。

 

〇厳しいながらも好転した決算

歳入総額・・・150億969万円 (昨年113億1,225万円)

歳出総額・・・144億4,431万円 (昨年111億7,959万円)

形式収支・・・5億6,537万円の黒字 (昨年1億3,265万円の黒字)

そもそも厳しい財政体質にコロナウイルス感染症の影響を受けましたが、結果としては昨年度よりも黒字額が増えた決算となりました。

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〇決算からふたつの数字に注目すると

この形式収支(5億6,537万円)から翌年度繰越財源や基金取り崩し額などを差し引き、積立金などを加えたものが今年の実質的な収支になります。(実質単年度収支)

実質単年度収支・・・4億9,748万円の黒字 (昨年8,391万円の黒字) 

昨年と比べて4億1,357万円の増加となりました。

 

もう一つ、財政状況を計る指標として、歳入の中で毎年決まって入ってくる金額と歳出の中で人件費など必ず出ていく金額の比率を表す経常収支比率というものをみると、

経常収支比率・・・95.5% (昨年度98.5%) 3%の改善

 

これらが改善の方向にあることは財政健全化において大きな成果です。

 

〇財政調整基金(市の貯金)もプラスに

以前のブログで紹介したように、ふるさと納税や市税の徴収体制強化によって自主財源が増大しています。

takizawa.hatenablog.com

これらの結果、昨年度1,350万円だった財政調整基金(市の貯金)も7,225万円と、少しばかりですが増額となりました。

さらに今年度末には2億4,000万円まで増える予算となっています。

 

加茂市の将来を見据えて

令和2年度において少し明るい兆しの見える決算となりましたが、公共施設の老朽化や人口減少による影響を考えるとまだまだ財政の厳しさは続きます。

そのような中で、加茂市のこれからの姿を示す加茂市総合計画が採択されました。

加茂市の将来像を

「笑顔あふれるまち加茂」

としてまちづくりをすすめます。

この内容についてはあらためてブログで紹介したいと思いますが、中心に「人」を据え何が大切かを考え、健康と文化・教育に重点を置いたものとなりました。

新しい総合計画にのっとった取り組みにより将来を見据えた市政運営となるよう、引き続き提起・提案していきたいと思います。

予想を上回るペットボトル回収量で予算増額

6月1日から始まったペットボトルの分別回収。

ゴミの減量化を目的とした事業ですが、9月時点で予想を上回る回収量のため、今回の定例会において補正予算を組んで増額したいとの議案が上がってきました。

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市役所脇にある回収ボックス

〇4カ所の拠点に集まるペットボトル

ペットボトルの回収については、市内4カ所に回収箱を設置して拠点回収しているのが現状。

当初の予想としては年間5トン程度の回収量を見込んでいました。

しかし9月21日現在、すでに6トンを超える量のペットボトルが集まっています

これを1年間で考えると17トン程になり、想定をはるかに超えることから今回の予算の増額となったものです。

 

〇予算はどのくらい?

ペットボトル収集回収・処分委託料として当初106万3,000円の予算を計上していたところに補正予算として95万3,000円が増額されます。

その結果、今年度の予算は201万6,000円となりました。

 

加茂市内全体でペットボトルはどのくらいある?

予想を上回る回収量ということですが、実際に加茂市内ではどのくらいペットボトルが流通しているのでしょう?

他市で行われている回収量を参考に一人あたり回収量を人口比で計算してみると、加茂市内全体では約70トンと予想されます。

この量はどのくらいかというと、1年間にゴミ焼却場で焼却されるゴミが約1万1,000トンですから、稼働日で考えた場合、約2日分の焼却量になります。

 

〇求められるステーション回収

6月スタート時のブログでも書きましたが、高齢者や車の運転ができない方を中心に、回収場所に持っていくことが難しいという不安の声をお聞きしています。

市としては、

・今までどおり燃えるゴミの日にゴミステーションに出しても良い

・将来的にはステーション回収を計画している

としていますが、今までどおり燃えるゴミとして出すのは心情的に複雑だという気持ちもわかります。

 

〇ステーション回収の実現性

市民が普段出しているゴミステーションを活用して、月に一度程度の割合でペットボトル回収を行う場合、年間で900万円~1,000万円かかります。

現状に比べて多大な予算となりますが、目的をゴミの減量化とリサイクル推進と考えるならば行うべきでしょう。

今回の事業が始まり、予想を上回る回収量となったことからも、市民の意識が行政の思った以上であることは明確です。

私は来年度に向け、本格的なステーション回収への移行を求めていきたいと思っています。

加茂市の行財政健全化、その進捗状況

令和2年2月に策定した行財政健全化推進計画

その令和2年度における取組状況について、9月22日に説明がありました。

市民の安心・安全な暮らしを守ることができるよう、また新しい事業に迅速に対応できるよう、令和4年度末に財政調整基金(市の貯金)を3億円にするのが目標となっていますが、現状はどのようなものかお知らせしたいと思います。

 

〇施策の効果額

人件費の抑制、補助金の見直しなどの結果、令和2年度の施策の効果による実績額は4億2,495万円となりました。

当初の目標額1億5,200万円と比較すると2億7,295万円も上回る結果となっています。

これを一覧表でみると

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となります。

 

〇目標を大きく上回る成果

上の表のとおり、令和2年度は目標を大きく上回る結果となりました。

特に「自主財源の確保」については、目標額2,200万円に対して実績は2億4,209万円と10倍以上の実績額です。

この内容を見ると、

・市税等徴収体制の強化による徴収率向上・・・7,464万円

ふるさと納税の増加による効果・・・1億6,448万円

という具合に、新たに力を入れたことが効果を上げているのがわかります。

 

〇他にも様々な取り組みが

この他にも、

・少ない職員数の中、類似する課や業務を統合することで効率化した

国民健康保険税について、市税と同様に徴収体制を強化して収納率の向上を図った(効果額9,433万円)

水道料金について、令和2年度10月請求分から料金改定を行った(2,023万円収入増)

など、様々な取り組みが行われています。

 

こうした行財政健全化は令和2年度の決算にも大きく表れていますが、それについては9月定例会において決算審査が終わった後にあらためて触れたいと思います。